
フレッシュかつフルーティーな味わいが特徴の、年に一度だけの特別なワイン、ボジョレーヌーボー
今年も解禁の時期が目前となり、来たる11月17日の解禁日に近づくごとに巷は賑わいを増しております。
ボジョレーヌーボーといえば、毎年キャッチコピーが設けられるのも特徴のひとつ。
その印象的で胸を打つようなキャッチコピーこそ楽しみにされている方も多いのではないでしょうか?
ということで、今回はボジョレーヌーボーのキャッチコピーを紹介しつつ、ボジョレーヌーボーのキャッチコピーの「なぜ?」に迫ろうと思います。
是非ともボジョレーヌーボーをより楽しむための雑学として、お役立てください。
この記事でわかること。
- 2022のボジョレーヌーボーのキャッチコピーは?
- ボジョレーヌーボーのキャッチコピーを考えているのは誰?
- ボジョレーヌーボーのキャッチコピーの評判
- ボジョレーヌーボーのキャッチコピーと、実際の出来栄えとの比較
2022のキャッチコピー

みなさん、まずはここが知りたいですよね。
ボジョレーヌーボー2022、一体どんなキャッチコピーがつけられたのでしょうか?
ずばり、ボジョレーヌーボー2022のキャッチコピーは!!

では早速、今年のボジョレーヌーボーのキャッチコピーを発表いたしましょう。
ボジョレーヌーボー2022のキャッチコピーは!!
・・・
すみません、まだわかりません!
残念ながら、2022年のボジョレーヌーボーのキャッチコピーは、まだ発表されていないようです。
※2022年9月20日現在
尚、発表の時期に関してもはっきりとはわかっていませんが、去年については、下記のVINOTERASさんサイト内にあります評価比較表にて9月下旬〜10月下旬ごろではないか?と言われていました。
正式な情報ではありませんが、目安にはなるかもしれません。
どうなる2022のキャッチコピー?!

せっかくなので、現在わかっているブドウの栽培状況などから、2022年のキャッチコピーの予想でもしてみようと思います。
毎年のボジョレーヌーボーのキャッチコピーを注意深く観察してみると、
「XX年間の中では良い」
「◯◯のような味、感じ」
というような表現がほとんどとなっています。
過去最高であること、またその美味しさの特徴を表すキャッチーな一言というスタイルとなっており、これは長年変わっていないため2022年もこのような形になると思います。
今年、栽培地であるボジョレー地方はブドウ栽培に恵まれた気候となり、品質の高いブドウが収穫されたと思われます。
よって2022年のボジョレーヌーボー自体、かなり上質な仕上がりになっていることは間違いありません。 今回はその自信作であるが故、かなり強気な表現でくるのではないか?と思われます。
キャッチコピーってどうやって作られるの?

キャッチコピーというのは、商品やサービスなどを宣伝するための謳い文句とされています。
一般的に「訴求する相手は誰か」「相手に伝えたいイメージは何か」といった、宣伝をする上での前提をいくつか挙げ、その上でキーワードを選んで短文を組み立てるという手順でキャッチコピーは作られます。
またこのような作業のことをコピーライティングと言います。
キャッチコピーはポスターやWebバナーなどの広告物への掲載を前提としているため、限られた文字数で訴求内容を無駄なく伝えなくてはなりません。
そのため、キーワードの選定や表現手法などはかなり慎重に行われます。 今回のボジョレーヌーボー2022ですと、
訴求相手:年に一回の特別なワインを待ち望んでいる人
訴求内容:恵まれた天候により、いつもより上質な仕上がり
となります。
この辺を意識した内容になるでしょう。
誰がどうやって決めてるの?

ボジョレーヌーボーのキャッチコピーを考えているのは誰なのか、気になっている人も多いのではないでしょうか?
キャッチコピーを決めているのは2つの団体

毎年ボジョレーヌーボーのキャッチコピーは、どのようにして決まっているのでしょうか。
実は、ボジョレーヌーボーのキャッチコピーは2つの団体によって決められています。 ひとつはフランス食品振興会(SOPEXA)が司会進行を務めるボジョレーワイン委員会、もう一つは日本の販売業者です。
アサヒグループのワイン会社「エノテカ」公式サイトの21年11月18日付記事によると、日本で出回るボージョレ・ヌーボーのキャッチコピーは2種類存在する。
1つは「現地のボジョレーワイン委員会によるブドウの評価をもとに、フランス食品振興会(SOPEXA)が発表した公式見解を和訳したもの」。もう1つは「その情報をもとに日本で作られたキャッチコピー」だという。
引用元:J-CAST トレンド
異なる二者のアプローチ

双方が考え出すキャッチコピーは印象が大きく異なります。 例えば2020年のキャッチコピーですと
ボジョレーワイン委員会のキャッチコピー
「極めて早い成熟と乾燥した夏による、究極のミレジム(ヴィンテージ)」
引用元:豆知識PRESS
※ミレジム = 収穫年
販売業者のキャッチコピー
「非常にバランスが取れた爽やかさのある仕上がり」
引用元:豆知識PRESS
といった感じです。 ボジョレーワイン委員会のキャッチコピーは具体性のある内容であるのに対し、販売業者のキャッチコピーはセンセーショナルで印象的なものとなっております。
ボジョレーワイン委員会とは?

ボジョレーワイン委員会(INTER-BEAUJOLAIS)はボジョレーヌーボーの広報活動を行なっている団体です。
日本では株式会社オーダスが業務委任されており、プレスなどの発行をおこなっています。 去年のものですが、こちらからボジョレーワイン委員会プレスリリースのPDFを読むことができます。
ボジョレーヌーボーのキャッチコピーの評判は?

ボジョレーヌーボーのおいしさを一言に込めた、毎年のキャッチコピー。 実際はどんな印象を与えているのでしょうか?
「ここ数年で最高」なんて言われたら、その先のモチベーションも最高ですね。
また、こんな声も
過去と比較し、それを「上回る」という表現が毎年のように繰り返されていますが、それをイジっている人も多かったです。
そのなかで、個人的に面白いと思ったのはこちら
ボジョレーヌーボーのキャッチコピーに学ぶ、「人の褒め方」と言ったところでしょうか。
これまでのキャッチコピーと実際の出来栄えは

ここでは、ボジョレーヌーボーの過去10年間のキャッチコピーを振り返ってみたいと思います。
ボジョレーワイン委員会の歴代キャッチコピー

ではまず、ボジョレーワイン委員会によるキャッチコピーを振り返ってみましょう。
2010年 果実味豊かで、滑らかでバランスの取れた
2011年 3年連続で、偉大な品質となった
2012年 心地よく、偉大な繊細さと複雑味のある香りを持ち合わせた
2013年 繊細でしっかりとした骨格。美しく複雑なアロマ
2014年 エレガントで味わい深く、とてもバランスがよい
2015年 記憶に残る素晴らしい出来栄え
2016年 エレガントで、魅惑的なワイン
2017年 豊満で朗らか、絹のようにしなやか。しかもフレッシュで輝かしい
2018年 2017年、2015年、2009年と並び、珠玉のヴィンテージとして歴史に刻まれるでしょう
2019年 有望だが、生産者のテクニックが重要な年
2020年 極めて早い成熟と乾燥した夏による、究極のミレジム(ヴィンテージ)
2014年年と2016年で「エレガント」というキーワードが使われていたり、「絹のように」「偉大な品質」というワードが出てきているあたり、上質さや高級感を意識しているように伺えます。
イメージを重視しつつ、「果実味豊か」「複雑味のある香り」といった具体性のある表現も交えているあたり、安定感のあるキャッチコピーともいえます。
販売業者の歴代キャッチコピー

次に、日本の販売業者による歴代キャッチコピーを見てみましょう。
2010年 1950年以降最高の出来と言われた2009年と同等の出来
2011年 100年に1度の出来とされた03年を超す21世紀最高の出来栄え
2012年 史上最悪の不作だが品質は良く健全。糖度と酸度のバランスが良く軽やか
2013年 みずみずしさが感じられる素晴らしい品質
2014年 近年の当たり年である2009年と肩を並べるクオリティ
2015年 我がワイン人生最良のヌーヴォー
2016年 エレガントで酸味と果実味のバランスがとれた上品な味わい
2017年 フレッシュな香りと上品なタンニンがある、まろやかな味わい
2018年 理想的な条件の下、すばらしいヴィンテージへの期待高まる
2019年 バランスのとれた味で、適度な量と高い品質のワイン
2020年 非常にバランスが取れた爽やかさのある仕上がり
「我がワイン人生最良」「21世紀最高の」といった、大胆な切り口が印象的ですね。2016年にはボジョレーワイン委員会も起用していた「エレガント」というキーワードが使われています。ボジョレーヌーボー=エレガント(優雅)という概念は、どうやら両者とも共通のようですね。
・・・で、実際のお味は?

双方、とても絶妙なキャッチコピーを付けられていますが、果たして実際のボジョレーヌーボーの出来栄えとはリンクしていたのでしょうか?
ここでは敢えて、不作と言われた2012年のボジョレーヌーボーを例に考えてみたいと思います。
知ってる方も多いかもしれませんが、2012年のボジョレーヌーボーはブドウの不作により、輸入量が少なくなってしまいました。 しかし、ボジョレーヌーボー自体の出来栄えに関しては、ブドウ一つひとつの品質は高かったので、どちらかというと良い出来栄えだったのです。
「今年は、春から夏にかけ遅霜、雨、ヒョウと過去に例を見ないほどの天候不順に見舞われました。しかし8月中旬から天候が好転し、収穫量は例年より少ないものの品質的に高いレベルのぶどうが実りました。こうした年は製造者の腕が問われるので、ワインの良し悪しや個性がより際立ちますね」
引用元:suumo ジャーナル
これをどう捉えるかが、コピーライターの腕の見せ所。
双方の2012年のキャチコピーを見てみると・・・
ボジョレーワイン委員会
“心地よく、偉大な繊細さと複雑味のある香りを持ち合わせた”
ボジョレーワイン委員会は、純粋にボジョレーヌーボー2012のおいしさだけを表現しています。「偉大な繊細さ」というワードが、流通量は少ないものの、ボジョレーヌーボー自体は高品質という当時の現状とリンクしているかのようにもとれます。
販売業者
“史上最悪の不作だが品質は良く健全。糖度と酸度のバランスが良く軽やか”
対して販売業者は、当時の現状をダイレクトに伝えています。 正直であるが故にわかりやすいですし、むしろ「不作だが品質は良く」という表現はレアな限定商品にも聞こえ、すぐにでも欲しくなってしまいますね。
まとめ|【2022年】ボジョレーヌーボーのキャッチコピーは?実際の味より過大評価してない?

では、今回のまとめに入りましょう。
- ボジョレーヌーボー2022のキャッチコピーはまだ発表されていない
- ボジョレーヌーボーのキャッチコピーは2つの団体で決定される
- うちひとつはボジョレーワイン委員会
- もう一つは日本の販売業者
- 両者とも、キャッチコピーのテイストが異なる
SNSを見ていて、あまりのベタ褒めや過剰な表現について、「ボジョレーヌーボーのキャッチコピーじゃないんだから・・・」と言われるくらい、ボジョレーヌーボーのキャッチコピーはインパクトがありますね。
両者ともテイストや方向性は異なりますが、総じてボジョレーヌーボーの良さを最大限に表現できていると思います。
それでは、今回もお読みいただき、ありがとうございました。
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