2010年代に起きた、残酷な悪夢「関西青酸連続死事件」
金目当てに3人の交際・結婚相手の命を奪った筧千佐子被告の死刑が確定となりました。
借金から逃れるため、遺産目当てに次々と人が殺められたこの事件、再審が行われたものの、当然の如く「死刑判決」は変わりませんでした。
「人を呪わば穴二つ」
そんな言葉が頭にこびりついて離れない、残虐な連続殺人犯・筧千佐子被告。
今回は、そんな筧千佐子被告の生い立ちや人物像に迫ります。
この記事でわかること
- 筧千佐子の学生時代
- 筧千佐子の犯行動機
- 筧千佐子を殺人鬼に仕立てた理由
筧千佐子の生い立ち①学生時代

筧千佐子は実母の未婚出産の上、厳格な家庭に養子に出されます。
この山下家で過ごした学生時代が、筧千佐子の人間性を歪ませた最初の環境と考えられます。
CONTENTS
- 生まれたのは「厳格な家庭」
- 秀才と呼ばれた学生時代
生まれたのは「厳格な家庭」

筧千佐子は1946年11月28年、長崎県に生まれました。
育ちは福岡県北九州市なのですが、生まれは長崎県となります。
また、生みの実母は筧千佐子を未婚出産しており、その後は厳格な家庭である山下家へと養子に出しています。
その実母が「開拓姓であった」という説もあり、本名は開拓千佐子であったとも言われていますが、寄せ書きに書いた言葉であり、名字ではないと言われています。

複雑な家庭事情・・・

世の中の家庭の8割は、崩壊家庭とも言われてるからね。
こうした訳ありな家庭環境が、筧千佐子の人間性を歪ませ、後妻業の女に仕立てたと考えられます。
筧千佐子の若い頃についてはこちらの記事でまとめています。
秀才と呼ばれた学生時代

筧千佐子は学力は高く、成績は福岡県内ではトップクラスでした。
高校も名門校と呼ばれる福岡県立東筑高等学校へ進学。
2023年の統計では偏差値70、倍率1.35倍の難関校とされています。
筧千佐子の高校時代についてはこちらの記事で詳しくお伝えしています。

優秀で頭よかったのに、勿体無い

この頭の良さを活かせなかったのも、悲劇の原因なんよ
名門校の出身ということで、大学も九州大学や東大を狙ってもおかしくなかったと言われていたのですが、両親の反対によって、進学を断念。
筧千佐子の人生が大きく狂い始めた瞬間でした。
筧千佐子の生い立ち②高校卒業後から社会人まで

都市銀行への就職を果たし、結婚まで果たした筧千佐子。
一見、華やかに見える人生ですが、筧千佐子を毒婦に駆り立てる原因でもありました。
CONTENTS
- 毒婦への転落
- 毒婦としての華
毒婦への転落

「女が大学に行くなんて」と、今聞けば差別的な考え方も当たり前だった当時、筧千佐子は親の反対の結果、大学へ進学せずに就職することとなりました。
とはいえ、就職先は都市銀行。八幡支店にて預金係を務めます。
地域にもよりますが、銀行員の年収は600万円台から1,000万円台とかなり高収入。
またボーナスも月収の3倍とかなり高めなのです。

って、人生の勝ち組だったじゃん!

本当は仕事には恵まれていたのにね・・・。
なぜ筧千佐子は成功者ではなく、毒婦へと道を踏み外してしまったのか。
真の転落劇はここからでした。
毒婦としての華

更に筧千佐子は婚期にも恵まれます。
1969年、旅行先で出会った印刷会社の社長と知り合って交際開始。
両親の反対を押し切って結婚、出産となりました。
このとき出産した娘と息子についてはこちらの記事にまとめています。

一見、ふつーに幸せな人生に見えるけど

怖いのは、ここからなんよ
しかし会社は経営難となり、旦那は病死。
筧千佐子には2,000万円もの借金がのしかかったのです。
筧千佐子の生い立ち③逮捕に至るまで

多くの犠牲者を出した筧千佐子も、周りの不審死から事件が発覚となります。
CONTENTS
- 繰り返された後妻業
- 因果応報の「死の天罰」
繰り返された後妻業

借金の返済に困った筧千佐子はついに、金目当ての後妻業に手を染めます。
学生時代、男子からの人気も高かった筧千佐子。
当時も、そこまで美人というわけではなかったのですが、程よい色仕掛けと元銀行職員という社会的地位を巧みに利用し、何人もの男を罠に嵌めようとしていました。
男を虜にする筧千佐子の魅力についてはこちらの記事でまとめています。
筧千佐子が標的にしたのは、高所得者の独り身。
結婚相談所で標的にできそうな男を探し、寂しさに漬け込んで相手を油断させるという方法でした。

いきなり資産運用の話持ちかけられて、おかしいって思った人もいたらしい

息子さんが止めに入ったケースとかもあったんよね
筧千佐子の接触を怪しむ男性もいたものの、3人の男性を殺害、一人は殺人未遂という悲惨な結果となったのです。
因果応報の「死の天罰」

事件が発覚したのは、筧千佐子によって命を奪われた4人目の被害者の体内から、青酸化合物が検出されたときです。
その後の調べにより、筧千佐子と結婚した男性は数ヶ月で亡くなっているという、不審死が相次いでいることも判明し、逮捕に至りました。
ちなみに、立件されたのは殺人3件と強盗殺人未遂1件のみですが、実際にあった不審死は10件以上とのことです。

被害総額も、10億円だとか・・・。

被害者の方々が、本当に可哀想
逮捕された当時、筧千佐子には認知症が認められましたが、毒殺という計画的な犯行から状況判断もできており、また金銭目的に人の命を奪うという残忍さから死刑判決となりました。
この判決は2017年の1審と2019年の2審、そして2021年の上告でも変わることはありませんでした。
特に、今回の事件は「金銭のために人を殺めた」というところに残忍さを感じますが、筧千佐子は認知症の症状があるにも関わらず、殺めた男性から奪った億単位のお金を投資に注ぎ込んで損をし、犯行を繰り返していたとのことです。
家庭に問題があったにも関わらず、職には恵まれていた筧千佐子。
その人間性が歪んでしまったが故、筧千佐子自身が悲劇の元凶となり、多くの命が犠牲になったと思うと、ただ残酷でなりません。
そんな筧千佐子、現在の姿が気になりますね。
筧千佐子の現在

筧千佐子は死刑が確定し、現在拘置所で生活を送っています。
肩まで伸びた白髪姿や、現在の拘置所での様子はこちらの記事でまとめています。
まとめ|筧千佐子の生い立ちについて

では、今回のまとめに入りましょう。
- 筧千佐子は厳格な家庭の養子
- 職に恵まれ、結婚するも旦那が他界
- その旦那の経営する会社が倒産し、多額の借金が残る
- 筧千佐子は借金から逃れるため、金銭目的で後妻業
- 高所得者を次々と狙い、青酸カリで毒殺
- 奪った億単位の金銭を投資に注ぎ込み、損をしては犯行を繰り返していた
筧千佐子の生い立ち、見ていて恐怖だけが残るかと思います。
本当の恐怖とは何か。
殺人なのか、死刑制度なのか、そこに追い詰めるほどの不幸なのか。
少なくとも私には、その何れもに「命の居場所がない」ことだけはわかります。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。